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_細胞医薬

BP2201

  • iPS細胞から作製したNKT細胞を用いた新規の他家がん免疫細胞医薬
  • iPS細胞のがん免疫療法領域における先駆的な応用
  • 頭頸部がんを対象にした第Ⅰ相臨床試験において初期的な安全性と臨床活性を確認

iPS細胞から作製したNKT細胞を、がん治療用の細胞医薬として用いるものです。

NKT細胞は、がん細胞を直接殺傷する能力をもつと同時に、他の免疫細胞を活性化することにより、間接的にも抗腫瘍効果を発揮する免疫細胞です。しかし、ヒト末梢血中にわずか0.01~0.1%程度しか存在しないとされ、NKT細胞を体外に取り出し、がん治療に必要な細胞数まで培養・増殖させることが非常に難しいという課題がありました。

そこで国立研究開発法人理化学研究所(以下「理研」)では、生命医科学研究センター副センター長の古関明彦氏を中心に、この課題を解決する方法として、iPS細胞技術を用いることが計画されました。具体的には、NKT細胞を初期化して樹立したiPS細胞(NKT-iPS細胞)から再度NKT細胞(iPS-NKT細胞)に分化・誘導可能なことが示され、2010年、iPS細胞から抗腫瘍活性を備えたNKT細胞だけを大量に作り出すことに成功しました。

当社は、本細胞療法の研究開発に、開発元の理研とともに取り組んでまいりましたが、2022年11月に導入オプション権を行使し、全世界で独占的に開発・製造・販売するライセンスを取得しました。

今回のライセンス導入により、1)iPS由来NKT細胞の他家細胞療法使用を広範かつ排他的に保護する「特許」(日米欧で登録済み)、2)現在進行中の治験によって臨床上の安全性と一定の有効性の示唆が期待される「マスターiPSセルバンク」、3)マスターiPSセルバンクからNKT細胞へ高純度で大量に分化誘導させる「製造法」の3つで構成されるプラットフォームを有することになりました。

このプラットフォームは、色々ながん種のがん抗原に対するCAR遺伝子を導入した、新たな遺伝子改変CAR-iPS-NKT細胞医薬へ展開する土台となり、幅広いがん種と世界の幅広い地域への展開を可能にします。

また、国立大学法人千葉大学医学部附属病院において、頭頸部がんを対象とするiPS-NKTの臨床第Ⅰ相医師主導治験が実施され、2024年2月に初期的な安全性と臨床活性を確認できたことが報告されています。


iPSC-derived CAR-iNKT cells targeting HER2 show prolonged tumor control and promote durable survival in a tumor xenograft model

SITC 2023

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A novel iPSC-derived CAR-invariant natural killer T (iNKT) cell therapy platform for hematologic malignancies and solid tumors

SITC 2022

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【関連論文】

Efficient regeneration of human Vα24⁺ invariant natural killer T Cells and their anti-tumor activity In Vivo. D Yamada, et al. Stem Cells. 34 (12), 2852-2860 (2016).

 

NKT cells as an ideal anti-tumor immunotherapeutic. S Fujii, et al. Front Immunol. 4, 409 (2013).

 

The linkage of innate to adaptive immunity via maturing dendritic cells In Vivo requires CD40 ligation in addition to antigen presentation and CD80/86 costimulation. S Fujii, et al. J Exp Med. 199 (12), 1607-1618 (2004). 

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