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_抗体医薬

BP1212

  • TIM-3とCD39の2つに結合し、これらが介するがん免疫の抑制機構を解除する二重特異性(バイスペシフィック)の腫瘍免疫活性化抗体
  • 二重特異性化により、TIM-3とCD39を共発現するターゲット細胞への指向性と、免疫抑制を解除する機能を増強し、がんを攻撃するT細胞の機能を高める

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BP1212は、CD39とTIM-3に結合して、そのがん免疫を抑制するはたらきを二重に抑える二重特異性抗体です。CD39によるATP分解とアデノシン産生、TIM-3による腫瘍からの抑制シグナルを同時に阻害することで、腫瘍内でT細胞が抑制を受けると同時に、極度に疲弊し機能不全に陥るのをブロックしてがん細胞傷害性を回復させ、抗腫瘍免疫を亢進させます。

腫瘍内はがん細胞が免疫細胞の数よりも圧倒的に多く、T細胞はがん細胞の認識と攻撃を繰り返した結果、「疲弊」と呼ばれる機能低下を引き起こします。腫瘍において、疲弊T細胞は、PD-1, TIM-3, およびCD39等の免疫を抑制する分子を発現し、それらを介してまわりの様々な細胞と関わりあう中で、がんの目印に対する不応答、がん細胞を取り囲むのに必要な増殖能の喪失、まわりの免疫細胞とコミュニケーションをとるのに必要なサイトカイン産生とがん細胞殺傷機能の低下等を引き起こします。疲弊が進むとT細胞は抑制分子TIM-3とCD39を高発現し、増殖等のT細胞機能を完全に喪失しますが、このTIM-3とCD39を共に発現しているT細胞は、腫瘍内で他の免疫細胞を抑制することがわかっています。そのため、T細胞の疲弊化を抑えてがん細胞殺傷能力を高め、疲弊T細胞がまわりの免疫抑制をもたらすことを阻止することが必要とされます。
免疫チェックポイントPD-(L)1抗体は、T細胞のみならず樹状細胞においてがん免疫を高めるはたらきをしています。TIM-3とCD39もT細胞のほかに樹状細胞において共発現し、感染や傷害に伴う危険シグナルに応答 して炎症の惹起を制御する細胞内の分子複合体であるインフラマソームの活性を調節することでがん免疫を負に制御していることから、BP1212はT細胞の疲弊抑制とともに樹状細胞の活性化による抗腫瘍免疫を増強することが期待できます。


Bispecific antibodies that block TIM-3 and CD39 induce anti-tumor efficacy and immune response by blocking multiple suppressive mechanisms

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