BP2301は小児・AYA世代・女性をまもるがん免疫治療薬へ
当社と信州大学が共同で開発中のBP2301(HER2 CAR-T細胞療法)の医師主導治験が向こう数カ月以内にはじまる見通しです。本プログラムの紹介をする際、当社ホームページや決算関連書類では従来、治験の対象を「骨軟部肉腫と固形がん」と表現してまいりました。治験開始を間近に控え、同医師主導治験の対象を今後は「骨軟部肉腫」および「婦人科がん」と改めます。婦人科がんに関しては、子宮体がん・子宮頸がん・卵巣がんなどにフォーカスする予定です。
信州大学の中沢洋三教授を中心とする研究チームは、これまでに小児・AYA世代(※1)の肉腫を対象とする非臨床試験データを集積し、学会発表を行ってきました。4月8日から米国ルイジアナ州ニューオリンズで開催されている2022年度米国癌研究会議(American Association for Cancer Research:AACR)年次学術総会で今回発表いたしましたのは、婦人科がんを想定した非臨床研究成果です。
学会発表の要旨は当社ホームページの「PR情報」内で別にご案内しておりますが、今回の成果のハイライトは、婦人科がんであるHER2陽性のヒト卵巣がん細胞株SK-OV-3及びヒト子宮内膜漿液性腺がん細胞株ARK1を用いた殺細胞試験においてBP2301が強い殺細胞効果を示したことです。加えて、SK-OV-3の担がんマウス6例にBP2301を投与したところ、全例でがんが消滅した、というものです。
この結果からHER2陽性であればがん種に関わらずBP2301は抗腫瘍効果を発揮することが示されました。また、全例でがんが完全に退縮し、がんの再増殖が認められないことからもBP2301は持続的な強い抗腫瘍効果が期待されます。
※1―――AYA世代とは、Adolescent and Young Adultの頭文字をとったもので、主に、思春期(15歳~)から30歳代までの世代を指しています。(引用:がん情報サービスhttps://ganjoho.jp/public/life_stage/aya/index.html)